ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【126日目】転倒と憐憫の日

昨日はリモートワークで自宅にひきこもっていたので、およそ1日ぶりに外に出た。先日の大雪は未だに消え去ることなく、世界を白に染めている。まるで人気漫画『BLEACH』の世界に迷い込んだ気分だった。

両親が雪国育ちのおかげか、私は雪道を歩くことに慣れている。都内では転倒が相次いでいるという噂だが、私からすれば信じ難い話である。適切な装備と慎重な行動を心掛ければ、雪など恐るるに足りない。これは決して慢心などではなく、「絶対に人前で転びたくない」という強い意思の現れである。

歩幅はなるべく小さく、一定の速度を保ちながら進んでいく。靴底はなるべく全体が地面に触れるように心がけ、重心をやや前に傾けると、転倒のリスクは一気に下がるのだ。

普段よりは時間がかかったものの、何とか駅前まで辿り着いた私は、雪に対して勝ち誇った笑みを浮かべた。周囲からすれば完全に変質者だと思われそうだが、自然界の脅威を乗り越えたという征服感が、私の心を満たしていたのである。

しかしそれこそが慢心だった。私は背後から走ってくる少年の気配に気付かなかったのだ。彼は私の横を通り越して駅の入口へと進んだが、雪でバランスを崩して倒れそうになった。私は咄嗟に手を出して彼の身体を支えようとしたのだが、これがいけなかった。

少年は何事も無かったかのように体制を立て直し、私の腕は勢いよく宙を舞った。そこから生じた回転運動のエネルギーは私の全身を包み込み、雪によって摺動性を増した私の両足は一瞬にしてバランスを崩す。

気付けば私は地面に倒れており、周囲の人々からの視線を浴びていた。咄嗟に受け身を取ったので大事には至らなかったものの、地面に打ち付けた足には鈍い痛みが残る。

しかしそれ以上に辛かったのは、少年の憐れむような表情である。私は彼に「大丈夫?」と問いかけようとしたが、誰がどう見ても私の方がダメージを負っていた。

こんな話を書くと「どうせいつもの妄想だろう」と思われそうだが、今回の話は100%真実である。密かにジーンズが汚れていたのだが、会社の同僚たちには悟られなかったようで安堵している。皆様も雪道と少年にはくれぐれもご注意頂きたい。

 

※追記1

転倒する瞬間、私は鞄の中にパソコンが入っていることを思い出し、咄嗟に身体で受け止めた。人間は意外と冷静である。そして身を呈して仕事道具を守る私は、やはり理想的な社畜だと思う。

 

※追記2

今日は仕事でも記事を書いたので、長文を書く気力が起きなかった。しかし気付いてみればそれなりの文章量になっている。要は「雪道で少年を庇って転んだ」というだけの話なのだが、物は言いようである。